患者さん向け情報
治験について
新しい薬を開発するためには、「薬の候補物質」について、動物を使って効果や安全性を調べるだけでなく、人での有効性や安全性を確認する必要があります。
この、人で効き目(有効性)や副作用(安全性)について調べる試験を一般に「臨床試験」と呼んでいます。そして、国(厚生労働省)から「薬」として承認を受けるために行う臨床試験のことを「治験」と呼んでいます。
治験は、参加される方の「本人の自由意志」に基づいて行われ、その実施にあたっては、参加される方の人権と安全性が最大限に守られなければなりません。そのため、治験は厚生労働省が定めた基準(医薬品の臨床試験の実施基準(GCP:Good Clinical Practice)に従って行われます。
新薬ができるまで
- 実験室で作ったり、自然界から見つけ出された何千何万という物質から、「薬の候補物質」が、選び出されます。(基礎研究)
- 動物を使って、効果や毒性を確認します。(非臨床試験)
- 人で効き目(有効性)や副作用(安全性)について調べる「治験」に進みます。治験には、通常第1相から第3相の3つの段階があり、順番に各段階で安全性や有効性を確認しながら進められます。
・[第1相]
少人数の健康な大人を対象に行います。薬の安全性や、どれくらいの時間で体に吸収され、排泄されるのかを調べます。
・[第2相]
薬の効果が期待される少人数の患者様を対象に行います。薬の安全性、効果、使用方法や使用量などを調べます。
・[第3相]
数多くの患者さんを対象に行います。安全性の確認が進み、最終的な薬の安全性、効果、使用方法や使用量などを調べるために行います。このため、第3相では、より多くの患者様のご協力が必要となります。 - 治験によって得られた試験結果は、新薬承認申請の際の資料として厚生労働省に提出され、審査されます。(承認申請・審査)
- これらの厳しい審査をクリアーしたものだけが新しい薬として誕生します。
国立病院機構ではよりよい医薬品を患者さんに提供できるよう治験を推進しています。