患者さん向け情報
チーム医療
栄養サポートチーム(NST)・摂食嚥下チーム
当院では、平成16年10月からNST活動を本格的に行っています。
NSTとは
NSTは、Nutrition Support Teamの略語で、それぞれの患者さんや病気に対して適切な栄養管理を行うための、病院内のチーム(栄養サポートチーム)のことです。すべての病気において、栄養管理をおろそかにすると治療の効果が減じてしまったり、合併症や副作用の頻度が多くなったりして入院期間が長くなる可能性があります。また、栄養状態が悪いと床ずれ(褥瘡)ができたり、食べ物や飲み物がうまく飲み込めないことにより肺炎(誤嚥性肺炎)を起こしたりします。
NSTは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などが職種を越えてチームを作り、栄養管理を実践してゆきます。
NST活動の実際
- 入院時、医師、看護師、管理栄養士が患者さんに対して栄養状態の評価や褥瘡の危険度の判断を行っています。
- また、検査技師は、栄養管理の指標となる検査データをチェックし、薬剤師は輸液製剤、薬剤に関する事・管理栄養士は現状の摂取栄養量を計算し、栄養評価を行い必要栄養量を算出します。
- 栄養状態に問題のある患者様を抽出してNSTが介入することになります。
- 主治医からNSTに栄養管理を依頼したり、入院後の生活状態をみている看護師からNSTに相談したりすることもあります。
- NSTでは定期的に回診を行っています。体重や身体計測値の推移、摂食状態、その他の全身状態を見ながら、必要なカロリーや栄養素が十分に取れているかを判断します。
- 回診の結果で、食事内容、経腸栄養の内容、点滴の内容などに変更するべき点があれば主治医に提案します。
- 栄養管理の基本は「口からものを食べる」ことです。嚥下(飲み込むこと)が困難な場合でも、食事にとろみをつけることによって飲み込めるようになることもあります。口の中をきれいにすることで、食べ物を飲み込む働きが改善したり、誤嚥性肺炎が起こりにくくなったりします。
- 口から食事が摂れない場合には、鼻から胃に栄養を送りこむチューブを入れたり、胃に直接チューブの入り口を設けたり(胃瘻造設)して、なるべく胃や腸を使って栄養を吸収できるようにします。
- 寝たきりで全く食事の摂れなかった方に、口腔ケア、嚥下訓練を行って、自力で食べられるようになった事例もあります。
【嚥下食】
高齢や疾患などのため嚥下障害を持つ人が、飲み込みやすいように工夫した食事。適度な粘度があり、食物の形態を変えて、滑らかに喉を通過しやすいもの。
当院NSTの特徴
当院のNSTは、栄養管理全般を行う「NSTチーム」、
良好な食事接種を目指し口腔ケアや食事形態の改善を図る「摂食・嚥下対策チーム」、
全職種・全職員参加による全科型のNST活動を行っています。
NST会議では、各職種からの様々な発表を行い啓発・情報交換の場となっています。
また、月に1回、NST勉強会を開き、栄養療法についての勉強をして職員のレベルアップを図っています。