病院概要
院内の組織および各部・科紹介
外科
当科では、呼吸器外科を中心に、乳腺外科、血管外科、一般消化器外科の診療や手術を行っています。和歌山県立医科大学と密接な関係をもちながら診療にあたっています。
スタッフ
- 太田 文典(呼吸器外科)
- 岩橋 正尋(心臓血管外科)
- 川嶋 沙代子(乳腺外科)
診療モットー
毎朝の病棟カンファレンスにより、担当医だけでなく全員が入院患者の病状把握に努め、安全で良質な医療を提供出来るように心がけています。また、治療方針や手術適応の決定は、呼吸器科、循環器科との合同カンファレンスで決定し、EBM(証拠に基づいた治療)に基づき、世界的に認められた標準的治療を提供するように努めています。
さらに、手術の際には、各疾患ごとにクリティカルパス(治療計画表)を導入することにより、誰にも治療経過が分かり易く、また無駄のない医療を提供しています。
主な対応疾患
- 呼吸器外科:肺癌、自然気胸、縦隔腫瘍、膿胸、悪性中皮腫、巨大肺嚢胞(巨大ブラ)など。
- 乳腺疾患:乳癌検診、乳癌、乳腺症、線維腺腫など。
- 血管外科:下肢静脈瘤、下肢閉塞性動脈硬化症、腹部大動脈瘤、急性動脈閉塞など。
- その他:内視鏡的胃瘻造設術(PEG)、ペースメーカー植え込み術。手掌多汗症(胸腔鏡手術)。
診療内容
- 原発性肺癌:呼吸器科との検討会にて治療方針を決定し、進行例には術前化学療法を施行し再度、手術適応の決定を行います。手術は、開胸術を基本としていますが、早期例には積極的に胸腔鏡手術を行っています。通常、術後10日から2週間で退院可能です。癌の進行度により、呼吸器科で術後化学療法を施行します。
- 自然気胸:まず胸腔ドレナージを行い、空気漏れがなければ、3日目にドレーンを抜去し、翌日退院です。しかし、空気漏れが続いたり、ブラがある場合、入院期間の短縮や再発予防のため胸腔鏡手術を勧めています。術後は、3〜4日目に退院可能です。
- 乳癌検診:マンモグラフィー、乳腺エコーを当日施行できます。もし、異常があれば針生検を行います
- 乳癌:乳房温存療法(乳腺部分切除+放射線照射)を基本としています。腫瘍が3cm以上あれば、術前化学療法を施行し、その後乳房温存療法が可能か検討します。術後は、閉経状況、腋窩リンパ節転移の有無、腫瘍の内分泌レセプター(ER,PgR)、HER2の有無をみて、術後補助療法(化学療法または内分泌療法)の選択をします。
- 下肢閉塞性動脈硬化症:動脈硬化が原因で臍より下の血管が狭窄し、しまいには閉塞してしまう病気です。血管の狭窄または閉塞により下肢血流障害を来たし、下肢のだるさ・痛みが出現します。足の痛みが強いときは、バルーン(風船)が付いたカテーテルを狭くなった動脈に挿入して膨らませ、血流を回復させる「カテーテル手術」や、新たな血管を、動脈の狭窄や閉塞部分を避けるようにしてつなぎ合わせることで、血流を正常にする「バイパス手術」を行います。
- 腹部大動脈瘤:主に動脈硬化等の理由により、動脈が部分的に瘤状に膨れる病気を動脈瘤と言い、腹部大動脈が瘤状になる病気を腹部大動脈瘤と言います。腹部大動脈が正常径の2倍以上の4cm以上で腹部大動脈瘤と診断されます。動脈瘤が大きくなると破裂して約9割の方が失血死しますが、一般的に破裂するまで無症状です。治療としては、手術による人工血管置換術があります。腹部大動脈瘤の治療適応は、破裂のリスクと手術に伴うリスクのバランスで決められます。破裂リスクは、動脈径のサイズと拡大スピードで決まります。
- 下肢静脈瘤:通常一泊入院して頂き局所麻酔で静脈を結紮します。ご希望があれば外来通院での治療も可能です。静脈瘤の程度がひどい場合は、抜去術を施行します。この場合には、1週間位の入院が必要です。
- 手掌多汗症:両側の手の平に汗を多くかき、日常生活にも支障をきたす病気です。胸部の交感神経を切断(または焼灼)することにより、改善することがわかっており、これを胸腔鏡手術にて施行します。成功率はほぼ100%ですが、代わりに背中の汗が多くなります(代償性発汗)。入院期間は、3〜4日です。