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乳腺外来
乳腺外科外来
乳腺外科外来では乳がんをはじめとする乳腺疾患の診断と治療をおこなっています。ライフスタイルの変化にともない、乳がんは増加の一途をたどり、30歳代から50歳代の働き盛りの女性のがん死亡原因のトップです。乳がんの診断や治療にはQOLを考慮した質の高い医療が求められており、当院では医師・看護師・放射線技師・薬剤師・理学療法士・栄養士・ソーシャルワーカーなど、多職種が患者さまのために力を出し合えるチーム医療を目指しています。また、乳がんだけでなく乳腺の病気には様々な種類があります。乳房のしこりやへこみ、乳頭からの分泌物など何か気になることがあれば、乳腺外科外来を受診してください。『乳がん』
乳がんとは乳腺組織に出来た「がん」のことです。乳腺組織は母乳を作る「小葉」とできた母乳を乳頭まで運ぶ通り道である「乳管」から出来ています。(図1参照)乳がんのほとんどはこの乳管にできます。なぜがんができるのかは完全に解明されていませんが、色々な要因が重なって遺伝子変異を起こし、がん細胞となって増殖していくと考えられています。『線維腺腫』
10~30歳代の若い女性によくできる良性のしこり(腫瘍)です。弾力のあるしこりで通常は痛みがなく、しこりと組織との境界がはっきりしており、触れると良く動きます。ほとんどのものは特に治療は必要とせず、定期的に大きさに変化がないかチェックしていきます。『乳腺症』
乳腺症は乳腺外来を訪れる患者様の中で最も多い病気です。症状は片側または両側の乳房のしこりで気付くことが多く、しばしば痛みを伴ないます。しこりの性状も軟らかいもの、硬いもの、その混合したものなどいろいろです。患者さんによってはしこりは触知できず、痛みだけを訴えることもあります。これは乳腺症の中で乳腺痛症といわれるものです。また乳頭から分泌物(白色や血の混じったような茶色などさまざま)が出る場合もあります。『乳腺炎・乳輪下膿瘍』
乳腺炎とは乳腺の炎症のことで「乳房に発赤、腫れ、発熱、痛みがあり、授乳機能に支障をきたすこと」が定義です。乳管が詰まることで乳腺が腫れて痛い状態から、乳腺の細菌感染が周りの組織に広がり乳房膿瘍の状態になったものまで、いろいろな段階があります。乳輪下膿瘍は、乳輪の下にうみがたまったもので、「急性乳輪下膿瘍」と「慢性乳輪下膿瘍」に分けられます。急性乳輪下膿瘍は、化膿性の乳腺炎が悪化して膿がたまったものです。慢性乳輪下膿瘍は、乳輪の下にたまった膿を出すと症状は消えますが、再発を繰り返しやすく治りにくい病気です。中年の女性や陥没乳頭(乳頭が乳輪の下にもぐっている)の人に発症することが多いです。
乳腺炎・乳輪下膿瘍ともに、いろいろな要因が重なるうちに乳房を切開して膿を出すことが必要になることもあります。